カラテウサギのカラウサ雑記帳(ゴルフとラーメンとその他)

中年サラリーマンが空手を始めたら「劇的に人生が変わった!」の空手・格闘技以外のお話

【映画】君の名は。を見た!の感想 その① 学生時代を思い出します。

※この記事は、2016年9月8日の記事です。ブログを引っ越したので再投稿。

 

話題沸騰中の映画「君の名は。」を見ちゃいました!!

ネタバレ注意です!!まだの人は見ないで!!

f:id:waga186:20170706031329j:plain

 

いやいや、美しい絵と感動のストーリーで、素晴らしい映画です!!

 

なんていうのかなぁー。要するに青春ですよ青春!!!切なくて少し甘酸っぱくて、、、。ああ、いいなー若いってこういう事があるかもしれない。まぁ、私にはまったくなかったですけどね。君の名は?なんてドラマチックに聞くことなんて、、、。

 

・・・・。

 

・・・・。

 

・・・・・!?

  

あれ、、、そういえば、、、ずーっと忘れていた記憶、、、それは大学生の頃だったか、、、。

  

その日は、大学の基礎体育という授業の第一回目であった。私は場所が分からず、少し遅れてしまった事を覚えている。天気のいい昼下がりだったと思う。基礎体育といってもとりあえず出席しておけば、単位はもらえる程度のものだった。選択制になっており、私は何故か希望と違うテニスの授業に割り当てられたのだ。

 

私は息を切らせて、集合場所に駆け込んだ。5分遅れだ。講師は私をちらりと見ると「遅刻だぞー!」と目も見ずに言った。

周りの学生たちは私を一瞬見て、すぐ目をそらした。第一回目の授業という事で、今後の授業の説明をする場であった。

要約すると、授業はテニスのダブルスをひたすら行う。それだけ。

 

私はテニスなんて未経験なうえに、そもそもあまり興味がなかった。また同時に入学したてで、まともに友達はおろか知り合いすらいなかった。講師はペアを作るように学生たちに指示をした。学生たちは講師の指示を受け、ダブルスのペアを組み始める。私は誰も知り合いがいないので、近くで誰かペアになってくれる人を探した。

 

だが、どうやら私は余ってしまったらしい、、、。周りの学生たちが私に好奇の目を向けている。私は講師にペアになる人がいない事を告げた。すると講師は私に「君は見学していろ!」とまた眼を見ないで言い放った。流石に腹が立ちその場を去ろうしたその時だった!!!

  

入り口から誰かが駆け込んできた。

すらりとしたスタイル、ほっそりとした体つきでやや長い綺麗な黒髪。少しエキゾチックな顔立ちは、春の日差しに照らされキラキラして見えた。息を切らせながら【その人】は、遅れたことを講師に詫びていた、講師から何やら指示を受けていたようだf:id:waga186:20170531031127j:plain

【その人】は私のところにまっすぐ来ると、にこっと笑い「一人ぼっちなんです。一緒にいいですか?」と語りかけてきた。

私は「ああ、ま、、まぁいいけど、、、。」とやや戸惑ったように伝えた。それを聞いた「その人」は、胸をなでおろす仕草をしてまたにっこりと微笑んだ。

 

テニスの授業といっても、いきなりの試合。簡単なテニスのルールの説明打ち方を説明されて、15分後にはもう試合開始だ。

こんなのが大学の授業なのか?と正直衝撃を受けたのを覚えている。

私のところに、【その人】はやってきて、「がんばろ!一生懸命やります!」とまっすぐに向いていった。じっと目を見られるのは、慣れていないので、直ぐに目をそらしてしまった。

 

実際の試合が始まると、私はホームランばかり。まともに相手のコートにボールを打ち込む事なんてできやしなかった。ちなみに【その人】は極端な運動音痴らしく、ゆるーいボールが来ても空振りしてしまう。結局ダブルスの初試合は、完封負けを喫した。

 

試合後【その人】は私のところに来ると、シュンとした表情で、「ごめんなさい」といった。私は「そんなことないよ!!」と言った。その言葉を言った瞬間キラキラした目で、私を見て「また一緒にテニスしてください!!」と言って、足早に去っていった。私は何といっていいかわからない、モヤモヤした気分になったのを記憶している。

 

次の週もまた【その人】は体育の授業に来ると私のところに来た!!またいつもの笑顔で「今日こそ勝ちましょうね!ガンバリマス!」と言って、私の肩をポンポンと叩いてきた。【その人】は、前回と変わらずボールを打てるそぶりすらない。これほど運動神経のない人も珍しいなと私は笑ってしまった。すると【その人】私のところに来ると「やっと笑ってくれましたね!!」と言って、またにっこり笑った。まっすぐに目を見られるのは、やはり苦手だ、、、、。そう思った。

 

それから毎週私は【その人】とテニスをした。しかし何故か【その人】と授業や学校内であう事はなかった。いったい誰なんだろう?ふとそんな疑問すら浮かんだが、あまり深く考えていなかった。私たちは毎回ダブルスを組んで、そして毎回負け続けた。

 

そして月日流れた、、、、。

 

こうして毎週【その人】会って、テニスをするのだが、その時限りで会話をする訳でもなく、一緒にご飯を食べに行ったりすることもなかった。ただ毎週テニスコートで、テニスをしてそして別れる。別れ際ににっこり笑って「また来週!」そう言って帰るのが常だった。 

f:id:waga186:20170706031537j:plain

ある日、いつものように私はテニスコートの片隅で【その人】を待っていた。待っていたが来なかった。

そして私は別の人とダブルスを組んで、半年間一度も勝てなかった試合に、あっさりと勝ってしまった。

思ったほどの嬉しさはなかった。もしも【その人】と一緒に勝ってたら嬉しかったのかな?そう思った。

 

次の週も、その次の週も【その人】は来なかった。私は何とも言えない気分だった。そして、私はその人ともう会えないのではないかという気がしてきた。別に私には関係のない人だ、そう言い聞かせて、大学の構内を歩いていた時だった。

すらりとした背の高い、ほっそりとしたやや長い黒髪。【その人】だ!!

 

私は思わず駆け出して【その人】の前に躍り出た!【その人】はびっくりした顔を見せたが、私に気づきにっこり笑ったそして「怪我をしてしまって、、、。」と言って、足を差し出した。右足にグルグルにまかれた包帯を見て、思わず吹き出してしまった!!

本人の前では言えないが、運動神経のない【その人】なら怪我もしそうだと納得したら急に笑い出してしまったのだ。

 

私たちは初めてテニス以外の話をした。出会ってからちょうど1年近くがたっていたのだ。そして別れ際、ふとお互い口に出した言葉が一緒だった。

 そういえば聞いてなかった。私は【その人】に改めて聞いた。

 

「君の名は?」

 

  

ゆっくりと答えてくれた「セキ ショウグン でーす!」

 私「へー、どういう字を書くの?」

その人「石 小軍 と書きます。」

私「そうなんだ。どこの国?」

石くん「中国です!!河北省です!!」

 

その後 彼から三国志は中国では単なる歴史であり、日本人が三国志が好きなのは驚いたと聞いた。

 

石くん ・・・・中国出身 すでに中国の大学を卒業した公費留学生。その時28歳ぐらい。

        180cmぐらいのやせ形。運動神経ゼロ。でも日本語ベラベラ。

性別:男

 

 

以上

おしまい

 

 

ほら、キュンキュンするところ、どこにもないでしょ?