カラテウサギのカラウサ雑記帳(ゴルフとラーメンとその他)

中年サラリーマンが空手を始めたら「劇的に人生が変わった!」の空手・格闘技以外のお話

【マンガ】実録嘘みたいな不思議な話シリーズ② ラジオ体操の女の子

ずいぶん前のお話です。私が小学6年生の頃。

当時は夏休みになるとラジオ体操が毎日行われており、町内で数少ない6年生であった事、母親が子ども会の役員をしていた事、少年野球チームに入っていたこと等から、夏休みのラジオ体操のハンコを押す係りにされてしまいました。

これが実に苦痛で、遅れるわけには行かない。人前で体操しなきゃいけない、すぐに帰れない等デメリットがある割に、何か貰えるわけでもなくメリットが何も無いという切ない役割でした。 

私はいやいやながらもハンコを持って毎日朝早くに近所の公園に行くのが日課になっておりました。

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 ラジオ体操は、体操が始まるまでの時間が長いのです。でも真夏とは言え朝の空気は新鮮でラジオ体操から帰って、朝ごはんまでの間もう一度寝る二度寝は最高でした。

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 8月に入り数日が過ぎました。ハンコを押す行為自体は始めこそ楽しいのですが、2日もやると飽きます。もはや苦痛でなりません。そんな時ふとあまり近所で見かけない女の子を見かけました。

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小さな女の子は、小学1年生か2年生ぐらいでしょうか?色白で透き通ったような肌の色で目の大きな可愛らしい女の子でした。とにかく夏なのに色白だったのを覚えています。私はハンコを押してもらうのが恥ずかしいのかな?と声をかけてハンコを押してあげることにしました。

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 受け取った出席シートは、今年のデザインのものではなくなんと10年も前のシートでした。なんでこんなのを持っているのか?意味がわかりませんでしたが、あまり深く考えませんでした。子供ですからね。苦笑

女の子のシートにはハンコがひとつも押してありませんでした。でも思い返すとこの子は8月に入ってから、ずーっといたような気がします。

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 ハンコを押してあげると女の子は嬉しそうに、笑顔を見せてくれました。私に向かってバイバイと手を振ると走って帰っていきました。

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 次の日からは、女の子は私がハンコを押す列の一番最後に並ぶようになりました。

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 ある日、女の子が8月ずーっと来ていた事を思い出して、8月分の押していない部分も遡ってハンコを押してあげました。ついでに1978年を1988年に変更しておいてあげました。女の子はニッコリと笑って嬉しそうに「ありがとう!」と言って走って帰っていきました。私はハンコ係なんてつまらない!と思っていましたが彼女のおかげで少しハンコ係が好きになりました。

仮にですが女の子の名前は、シートに書いてある「白井ウサ子」という名前だと知りました。その日はお盆の終わりの16日だったと思います。

 

ですが、家に帰って母から信じられないことを言われます。

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 母が言うには、町内に住んでいた「白井 ウサ子」ちゃんという女の子は10年も前に亡くなっていたというのです。じゃあ、あの女の子は一体なんなんだ?という思いと、母が訳のわからないことを言うので、かなり混乱したのを覚えています。

 10年も前なら、私は2歳とかで覚えているはずありません。それよりもあの女の子が死んでしまった幽霊だというには、余りにも笑顔が可愛くて、到底信じられませんでした。親戚の子か何かだったのでしょうか?

 

翌日ラジオ体操に行ったら、女の子に確かめてみようと思いました。

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でも翌日ラジオ体操の会場にあの色の白い、目の大きな笑顔が可愛い女の子はもうどこにもいませんでした。いったい誰だったのか?今でも不思議に思います。

嬉しそうにハンコをもらって家に駆けて行く姿は今でも鮮やか蘇ります。キラキラとした夏の朝日に照らされた小学6年生の夏でした。

私は、翌年から中学に上がりラジオ体操に行くことは無くなりました。

先日娘達がラジオ体操の歌を歌っていたのを聴いて、ずーっと忘れていたこの事を思い出しました。気が付けばあれから30年近くが過ぎようとしています。

季節の移り変わりは早いものですね。今は娘達がラジオ体操に行くようになりました。

夏休みの鮮やかな思い出は今でも心の片隅に残っているものですね。

 

嘘みたいな不思議な話シリーズの第二弾です。まるで夢を見ただけなのでしょうか。もはやわかりません。 (´∀`*)ウフフ