さてこのブログに訪れてくれる人は、それなりの年齢だと思いますので、それを前提にお話させてください。いわゆるミドルエイジの皆様ですよね。
そんな皆様ならお分かりになるでしょう。ミニ四駆をご存知でしょうか。
簡単に言うならば、車のプラモデルにモーターをつけて走らせることができるおもちゃです。80年代に大ブームが起こりまして、私はまさに世代ど真ん中な訳です。
あの当時、いろんなパーツをお小遣いの中で工面し、買い食いをやめて買った部品をつけて走らせる興奮と喜び。走らせるコースを持っている友達の家に入り浸り、部品を交換したりする日々。まさにF1のメカニックさながらのピット作業を繰り広げるわけです。
ご存知ない方のために少し魅力をお話しましょう。そもそもミニ四駆に出てくる車は、俗に言うF1カーでもなければ、実写のポルシェとかフェラーリとかではありません。でもなんだかよくわからないですがカッコいいのです。
ご参考にタミヤのHPでご確認ください。
見てください。現実には公道で見かける車ではありません。だがこのマシン達がとんでもないスピードでコースを駆け抜けるわけです。ただ走らせると真っ直ぐにしか走りません。ところがこのミニ四駆には専用のコースが存在するのです。
これは私の家の近所の電気屋さんに設置されたコースです。このコースは個別に売られているのですが、つなげるとこんなに長くなります。これの上で走らせるのです!モーター音がまたなかなかカッコイイのです。
そして車がすごい勢いで走り抜けていきます。速いマシンになると目で追うことすらままならなくなります。まっすぐしか進まないミニ四駆はこのコースによって、すごいスピードとコーナーリングをしながら疾走するんです。
さて、そんなミニ四駆ですが、流石にこの年になって買うのものなんだかなぁと思いますが、ある時仲間内のゴルフコンペで景品を買いに電気屋さんに行くと、ミニ四駆がたくさん置いてありました。ミニ四駆自体は割と安いので、ハズレの景品にしようと思い、いくつか購入しました。それを景品に出したのですが、ゴルフ終了後のパーティで景品を渡していると、景品のゴルフボールとかよりミニ四駆をくれと大の大人たちは言うのです。
そう、いいおじさんたちですが、彼らは未だにミニ四駆を愛しているのです。
そしてハズレ景品なので、私にもひとつ回ってきたのが始まりです。持ち帰るとお土産と勘違いした娘たちはなんだこれは?と尋ねてくるわけです。うちの子供たちは女の子が2人なので、あまり車とかには興味がないだろうと思っていたのですが、工作好きの長女は早く作らせろとせがんで来ます。
私は彼女をなだめながら、来週の日曜日につくろうと提案するわけです。
そして日曜日が来ました。ミニ四駆は基本的にドライバーとハサミがあれば出来上がります。接着剤とかもいらないのです。但し!ちょっと部品が小さいので小さいお子さんには注意が必要です!そしてすぐどっかに行ってしまいます。
プラモデルというのものは、いつになってもワクワクしますね。ガンプラとか時間があったら作りたいところですが、なかなか出来ないのですがミニ四駆は大丈夫!大人が本気でやれば15分ぐらいで作れてしまいます。
娘たちに、ボディーにシールを貼る作業をやらせます。キャッキャと言いながらシールを貼っております。
シールを貼っただけですが、俄然カッコよさがあがりますね。上級者になると自分で色を塗ったりするのですが、それはまた楽しそうです。更に上級者になるともはやボディーを載せないという強者も現れます。でもそれはダメですね。カッコがいいのが大前提なのです!
ミニ四駆を組立は娘にやらせます。接着剤を使わないので子供でも平気です。小学3年生の娘はなんとかやれますが、幼稚園の下の子はうまくできずに怒り出しました。そういう時は、とりあえずタイヤをはめさせたり、簡単な作業をやらせることで納得します。
私はこれを機に、上の娘に百均で売っていたドライバーセットをプレゼントしてあげました。私自身もドライバーは持っていますし、なんなら電動ドライバーすら持っています。但し自分の道具として上げたのです。
さて、子育てしている皆さんには、お分かりだと思いますが、自分自身の経験を踏まえるとこのミニ四駆にはいろんな子育て要素が詰まっているのです。
①組み立てる能力
そもそも3次元に物事を捉えるのはプラモデルが一番適していると思います。2次元の説明書を実際に3次元に起こすという作業は想像力を養います。
②器用さ
手先の器用さは細かい作業を繰り返すことで養えます。こんなに細かいパーツがたくさんあるミニ四駆はうってつけです。難易度もちょうど良いのです。
③ギアの仕組み
ミニ四駆にはギアが複数入っています。このギアによってスピードやパワーが変わったりします。例えば坂が多いコースの場合は、あえてローギアを入れたほうが良いなんて事もわかっちゃうのです。
④単純な電気回路
理科の実験で、スイッチを入れると電球に明かりが灯る実験をやったことがあるかと思います。このモーターと電池の単純な電気回路によって、動力の仕組みを学ぶのです。
⑤作ったものが走る歓び
自分がさっき作ったマシンが、実際に猛スピードで走るわけです。これはちょっと感動しますよ!しかも早いですし!!
⑥結果が変わる
マシンが出来上がって実際に走ると、今度はギアを変えてみたり、パーツをいろいろ変える事で毎回違う結果が出ます。結果を得るための試行錯誤は子供たちの創造性と探究心を養います。
⑦失敗が許される
発明家は言います。失敗は成功の母であると。そう失敗なくして成功などありえないのです。というのを学べますというのではなくて、失敗したらどうしたら良かったのか、成功に導くためのプロセスが試されるのです。
しかも!!その時に起こる全てのことは自分の責任、そう自己責任なんです!後悔したり悔しがったり涙なくして上達は見込めないのです。そして得られる最高の結果に心が震えるわけですね。
という事で、子供の教育にも非常に良いのです。あといろいろとお値段もお安いので、それは大人にも良いですね。
実際に走らせるととんでもないスピードなのです。でも所詮はノーマルマシン、同じくチューニングに余念のない小学生の団体のマシンとは勝負にもなりません。うちの子供達は自分たちのマシンが遅い事を気にするかと思いきや、全然そんな事もなくただただ走っている車を追いかけるという不毛なことを繰り返しておりました。小学生の車はめちゃめちゃ早かったですね。
私も大人なのでそんなにムキになったりはしないのですが、今度マシンを買ったら、子供の頃金銭的な都合でできなかったチューニングをやりまくって、小学生たちに勝負を挑みたいなと思います。
30分ぐらい走らせまくって、さあ帰ろうと言って帰るときに、娘がまたやりたいと言っていたのは本当の気持ちだと思います。女の子がミニ四駆なんてと決め付けるのではなく、一緒に楽しんだらいいと思います。
きっと楽しいですよ!!
家に帰ってから、妻に嫌な顔をされたのはきっと気のせいだと思います。こんなに素晴らしい教育教材はないと思います。
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